2017年12月20日

 

ドイツ、バイオマス利用状況

 

 

ドイツにおけるバイオマスの主役は、燃料として、穀物、家畜糞尿などを発酵させて製造するガスを用いたバイオガス発電です。これには、ドイツにおいて、穀物を含めた食料自給率が90%を超えるという、高い農業生産性が関わっています。また酪農規模も、日本よりもドイツは格段に高い水準にあります。(牛乳生産量約4倍、飼料作物自給率約9割。)林業分野においても、日本の木材自給率約3割に対し、ドイツは約7割と高い水準を維持しています。

 

ドイツ経済エネルギー省発表の資料によりますと、2017年度、一次エネルギー消費(13,525PJ)における再エネ率は13.2%(1,773PJ)となっています。その内、バイオマスは843PJのエネルギーを供給しており、再エネ全体の約半数を占めています。これは、バイオマス燃焼時に発生する熱が、地域暖房システムなどに供給され、有効に活用されていることが大きな要因です。北西ヨーロッパに属し、寒冷な気候であるドイツでは、豊かな農業・酪農資源を基にした熱電供給システム(CHP)が普及するためには理想的な環境であると言えます。

 

ドイツ全土に、このようなバイオガスCHPシステムが約9,000施設、総発電容量は4,000MWに達するとされています。ガス貯蔵施設を備えた発酵器のなかで発生したバイオガスは、一方で発電機に供給され、電気と熱を供給し、もう一方ではバイオ・メタンとして、天然ガス供給ネットワークに接続されます。

 

 

ドイツとは対照的に、日本では有効利用可能なバイオマスの量は、現状として限られています。比較的温暖な地域が多い日本の国土において、地域暖房システムの大規模な導入は進んでいないことも事実です。また多くのバイオマスの再利用率は高く、エネルギー利用への転換が困難という点もあります。例として、家畜汚泥は年間約8,800万トン排出されますが、90%は非エネルギー目的ですでに再利用されています。同様に、建築廃材(年間約400万トン、再利用率90%)、製材工場などの残材(年間約340万トン、再利用率95%)なども、用途転換をしないかぎり多くの量を利用することはできません。

 

現状において再利用率が低いバイオマスは、食品廃棄物(年間1,900万トン、再利用率27%)、食品非食部(年間1,400万トン、再利用率30%)、林地残材(年間800万トン、再利用率ほぼ0%)などがあり、適切なシステムの導入することにより、よりエコでクリーンな社会の実現に貢献することが期待されます。

 

発電機の出力を一定に保つためには、燃料の質を均一にすることが特に有効です。全国のライスセンターにおける籾殻発電や、これまで利用価値がなく廃棄されていたバーク材などを用いた発電システム(スターリング・エンジン利用など)は、このような特定の燃料を対象とした装置の例です。また含水率が高いバイオマス(剪定材、食物残渣など)でも燃焼可能なストーカ炉を用いた蒸気タービン、もしくはORC(有機ランキンサイクル)熱電供給システムも、熱の有効利用次第では、導入の検討が可能です。

 

 

出典:農林水産省、ドイツ連邦食糧・農業省発表資料より作成